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おなじみの小松菜は、在来のカブから分化した古い歴史を持つ漬け菜の一種です。その名は江戸時代に現在の東京都江戸川区の小松川周辺の産物であったことから名付けられたと伝えられます。 強健な野菜で、耐寒、耐暑性に富み、周年的に栽培することができる上、土壌病害虫の発生も少なく、毎年同じ畑に連作できるので、面積にゆとりのない家庭菜園にも取り入れやすい魅力があります。 夏の青物の少ない時期から取り始めるには6月上・中旬がまき時です。生育が早いので種まきから25~30日ぐらいで収穫できます。 通常は草丈が25~30cmぐらいになったら逐次抜き取り収穫し、次々と種まきし、周年的な収穫を狙うのですが、ここで紹介するのは、株ごと収穫するのではなく、株は残したまま葉を葉柄から指やはさみでかき取り収穫する方法です。小松菜はカブを起源とするので、根は大変しっかりしており、節間が伸びることなく短い茎の節から葉が次々に生まれ伸長してくるのです。そのため草丈は30~40cmぐらいしか伸びずに、夏、秋、冬とたくさんの葉を収穫、利用することができます。 収穫期間が長いので、元肥は図のようにしっかりと与え、畑の準備をしっかりして種まきします。 用いる品種は、葉が小さめ丸形で、緑が濃く、ゆっくり育ち長期間の収穫に適する「きよすみ」(サカタのタネ)などがお薦めです。 発芽後本葉2~3枚のころと、草丈10cmのころ間引きし、最終株間を広めに10cmぐらいにします。そのころから15~20日置きに、畝の側方に軽く溝を付けて、油かすと化成肥料を追肥します。 収穫は葉幅が7~8cmになったころから葉柄の下部で爪先でかき取り、またははさみで摘み取りを行います。 葉の増え具合に応じて収穫葉数を考えながら、延々と3月上・中旬まで良質な葉が収穫できます。3月下旬になるととう立ちしてきますが、この花蕾(からい)も、ナバナと同様におひたしなどに利用できます。やや苦味が強いですが、旬の味覚が味わえます。 時期によってはコナガやヨトウムシ、アブラムシなど、アブラナ科を好む害虫にやられやすいので、よく観察し、発生初期に薬剤散布して防ぎます。夏には防暑、防虫を兼ねてのべた掛け資材の被覆も有効です。
板木技術士事務所●板木利隆
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※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。