芽キャベツ(アブラナ科アブラナ属)
土壌医●藤巻久志
新聞では動植物の名称を原則として片仮名で書きます。しかし「メキャベツ」は多くの新聞社が「芽キャベツ」と表記しています。「芽」など、身近な動植物の修飾部分は漢字でも良いことになっているようです。
芽ジソや芽ネギはシソや葉ネギの発芽した幼い芽のことをいいますが、芽キャベツはキャベツの芽ではなく、キャベツのミニチュア版のような脇芽(芽球)が付く別の植物を指します。欧州で紀元前から栽培されていたケールから分化して、葉が発達して結球したものがキャベツ、花蕾(からい)を利用するのがブロッコリーやカリフラワー、脇芽を食べるのが芽キャベツです。
スーパーなどでパックに入って売られている芽キャベツを見かけることはあっても、畑で育っているところを見たことがある人は少ないと思います。太さ4、5cmの茎が50cmほどに直立し、そこに直径2、3cmの結球した脇芽が50~100個付き、充実した脇芽を順次収穫していきます。ほとんどが静岡県で生産されていますが、家庭菜園では形状の面白さから全国各地で栽培されています。
原産地はベルギーのブリュッセル地方といわれていて、英名は「ブリュッセルスプラウト」です。日本には明治初期にキャベツとともに導入され、秋から春の野菜として栽培されてきました。「子持ち甘藍(かんらん)」ともいい、子宝のイメージから昭和の結婚式の料理にはよく使われました。芽キャベツを鉢で栽培したものが正月の縁起物として飾られることもあります。
芽キャベツはキャベツより甘さも栄養もあり、特にビタミンCはレモンよりも多く含まれています。また、抗酸化作用によりがんや老化を予防する作用があるとされるベータカロテンも豊富です。近年はがんを予防する食物としてアブラナ科野菜の重要性が注目されています。
洋食ではシチューやバター炒めなどに、和食ではおひたしや浅漬けなどに利用します。



